満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


「そろそろ休むか?」


結構飲んだけど、私も康太も酒は強い
私の方が弱いから、いつも私がほろ酔いになると、そこでお終い。


『康太……抱っこ』


康太は、はいはいっといつものように抱きかかえ、ベッドまで運んでくれる


「浴衣ってエロいな」

『兄さんもエロいっすよ…うふふ』


「いただきます」


『うふふ……めしあが……れっ』


今日も康太に抱かれるんだ

本当に幸せなこと……
これがずっと続けばいいな。


「結衣……愛してる」


『ん……あ、私も……一生……』


康太が私の中に……
あ…れ?

『んっ……あ……』


いつもと……違う
声が……聞こえない


聞こえるのはベッドが軋む音に
康太の息遣い
そして、私の漏れる声だけ……


『あっ……ん、こう、た……』


私はあの男の声を聞くことはない
いつも康太に震えてることを知られたくなくて、必死になってしがみついていた


「結衣……」


『うん……大丈夫、みたい……』


その言葉に笑顔になる康太は私にキスをし、激しく動く。


『んっ、あっあ……あ、ダメ』

私は初めて……意識を飛ばしてしまった。

< 173 / 205 >

この作品をシェア

pagetop