満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
夢を見たんだ……
「おぎゃー、おぎゃー」
赤ちゃんの泣き声……
どこかな?
泣き声の方へ歩く……
「おいで」
ん?康太の声?
「キャッキャ、アー…アー」
康太が赤ちゃんをあやしてる……
なんか……いいなぁ……
「パパがあやすと、すぐ泣き止むわね」
……これ、私の声
幸せそう……
私も、あんな風に
なれるのかな?
「康太と一緒だから幸せなのよ…」
えっ?
私の心の声に答えたのは
夢の中の私……
「どんな時でも康太は私を待っててくれて、守ってくれたわ」
「康太がいなかったら……」
康太がいなかったら
苦しい毎日、偽りの毎日だったかも…
「そうよ……次はあなたが康太を幸せにする番じゃない?」
幸せにする?康太を?
「康太は何を望んでいたか…忘れたの?」
康太の望むこと?
なんだろ……
いつも、いつも私を優先してくれる
康太と初めて会った時から……
初めて……
「頑張ってね……結衣」
初めて会った時……
「俺の妻になれ」
それが康太の願い……