満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


夢を見たんだ……


「おぎゃー、おぎゃー」


赤ちゃんの泣き声……

どこかな?
泣き声の方へ歩く……


「おいで」


ん?康太の声?


「キャッキャ、アー…アー」

康太が赤ちゃんをあやしてる……
なんか……いいなぁ……


「パパがあやすと、すぐ泣き止むわね」


……これ、私の声

幸せそう……
私も、あんな風に
なれるのかな?



「康太と一緒だから幸せなのよ…」



えっ?
私の心の声に答えたのは
夢の中の私……


「どんな時でも康太は私を待っててくれて、守ってくれたわ」
「康太がいなかったら……」


康太がいなかったら
苦しい毎日、偽りの毎日だったかも…


「そうよ……次はあなたが康太を幸せにする番じゃない?」


幸せにする?康太を?


「康太は何を望んでいたか…忘れたの?」


康太の望むこと?
なんだろ……
いつも、いつも私を優先してくれる
康太と初めて会った時から……


初めて……


「頑張ってね……結衣」



初めて会った時……


「俺の妻になれ」


それが康太の願い……


< 174 / 205 >

この作品をシェア

pagetop