満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


「何してるんだ、二人して」


お姉ちゃんと康太が頭を下げている光景をお昼で帰ってきたお父さんが不思議そうに見ていた


「お久しぶりです、ご無沙汰していまして、申し訳ありません」


康太がお父さんに気がつき挨拶をする

「いやいや、こちらこそ世話になっているのに連絡もせず……」


10年ぶりに見た両親……
老けた……お父さんは少し白髪が混じってるし、お母さんは少しシワが増えたかも。


『……た、ただいま……ちゃんと医者になりました』


私の言葉に頷いているお父さん


「あぁ……知っている。結衣の事は桜田くんが定期的に知らせてくれてね……」


え……桜田さんが?
私は康太の方を見ると頷いている。
康太が指示を……


「で……今日は?」


『あ、うん……今日はね……』

私が言おうとすると、康太に止められる

「結衣、俺が言うことだから……」

そう言うと、康太は座り直しお父さんをみて話し始めた


「長い間、中途半端なことをして申し訳ありませんでした……結衣さんを幸せにします……結衣さんを俺にください」

康太が頭を下げて言う。
私も康太と一緒に頭を下げる。
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