満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜

少しの間だけど
両親とお姉ちゃんと話が出来た。

この10年の事
激務に追われる毎日だった事
今の気持ち……


『10年も康太を待たせちゃった』


「そこまで待つ男が凄いわ」

お姉ちゃんは康太をバシバシ叩いて笑っている。
康太も笑ってるが……仮にもヤクザだ
これ、マズイよって思いお姉ちゃんに言おうとしたけど、康太が止める


「香奈さんは、姉と似てるから……姉もあんな感じ……それに結婚すんだから、俺の姉貴になるし」

康太が小声で言う
康太はどんな状況でも大人対応するし
紳士的……本当にヤクザ?って思っちゃう


「お義父さん……結婚式の話なんですが…」

康太が言いにくそうに言う


「須藤くん、わかってるよ……僕らは出席できないのは」


普通の結婚じゃない……
そんなのわかっていること。

「すみません……けどひとつ提案が…」

康太の提案は
親族で顔合わせと教会で挙式を静かに挙げる、これなら出席できる
その後、本家でまた婚礼の儀をすると言う。これには参加はできない……他のヤクザの人や組長さん達が来るから。


「須藤くん…本当にいいのかな?」
「結衣のウェディングドレスを見れるなんて……」

いつも聞いているだけのお母さんが嬉しそうに言ってくれる。

「はい、出来るだけ……結衣の幸せな姿を見といただけたら……」


やっぱり康太はすごいなあ……
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