満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
「日程は桜田に連絡させます、それでは」
康太は車に乗り込み、私も乗ろうとしたら、お母さんに呼び止められた
「結衣、これ」
お母さんに渡されたのは箱
『なにこれ?』
「後で開けなさい」
そう言われ、お母さんに急かされ車に乗った。お母さんはにこやかに手を振る
車は走り出し、これから本家に行くと言う。
本家に行くのは緊張するけど、
お母さんがくれた箱が気になる。
「……あけてみたら?」
『……うん……あけてみようかな』
私は箱を開けると、また箱
けど、これはアクセサリー箱だ
開けてみると
真珠のネックレスとイヤリング
それと、手紙
私は手紙を読む……お母さんから。
結衣、二十歳の誕生日おめでとう
これからは大人としてしっかり生きていくように……康太くんと幸せに。
それだけの内容……
20歳ってもう8年も前だよ
「大人になったら真珠か……昔、お袋が言ってたな……真珠はどの場面でも活用でき、大人の女には必需品だって」
「二十歳の誕生日プレゼントか……良いお母さんだな」
康太は私の頭をポンポンしてくれる
康太の優しさも、お母さんの優しさも
何もかも嬉しい……
『やばい……幸せすぎっ……』
泣いている私に康太は引き寄せ
そうだなって頭を撫ぜてくれた。