満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


「おお、バカ息子」

久しぶりに見る康太のお父さんは何も変わってない
麻衣子のお母さんはますます綺麗になっているし……


『お久しぶりです、結衣です』


私が挨拶をすると
優しい顔で応えてくれる

「結衣、久しぶりだな。いい医者になったと聞いとるぞ?うちの連中も世話になったみたいで、礼を言う」


『いいえ、まだまだ勉強中です』


康太はソファに座ってため息をつく
私がお父さんと話すのが嫌らしい…


康太の横に座る前に、私は麻衣子のお母さんのところへ行く

『お久しぶりです、あの時……お礼も言わず申し訳ありませんでした。……とても嬉しかったです……ありがとうございました』

私はバックの中から手帳にいつも挟めている、合格守りを見せる

麻衣子のお母さんはびっくりした顔をしたけど、すぐ笑ってくれて

「結衣さん、お守りは1年よ?それに……合格はもう必要なさそうだし……また新しいの受けに……そうだ、今度は一緒に行きましょうか」


『はい、行きましょう』


お父さんも康太も
嬉しそうに見ていた。
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