満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
私と麻衣子のお母さんが
話してると、やっぱり不機嫌な声がした
「結衣」
『……すみません、戻りますね』
麻衣子のお母さんは苦笑いをしながら、自身もお父さんの方へ歩き出す
『康太……ちょっと話してただけだよ?』
「ちっ……なら俺の横で話せばいいだろ」
私が横に座れば腰に手を回してくる
……そんなに私に触りたいのかよ
「で、バカ息子。今日はなんだ?」
お父さんはニコニコしながら話す
「あぁ……結衣と籍いれる。前島さんにも話は通してきた」
康太の言葉にお父さんの顔つきが変わる
「……ほぅ……それそうの覚悟があってなのか?後戻りはできねぇぞ」
「わかってる」
「お前はわかっていても……結衣はどうだ?一度、極道の世界に足を踏み込めば二度と外の世界に戻れねえ……親の死に目にも会えねえかもしれねぇぞ?」
私を見て言う康太のお父さんの目は真剣だ……けど、私も覚悟を決めたんだ。