満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


私と麻衣子のお母さんが
話してると、やっぱり不機嫌な声がした


「結衣」


『……すみません、戻りますね』

麻衣子のお母さんは苦笑いをしながら、自身もお父さんの方へ歩き出す



『康太……ちょっと話してただけだよ?』


「ちっ……なら俺の横で話せばいいだろ」


私が横に座れば腰に手を回してくる
……そんなに私に触りたいのかよ


「で、バカ息子。今日はなんだ?」


お父さんはニコニコしながら話す


「あぁ……結衣と籍いれる。前島さんにも話は通してきた」


康太の言葉にお父さんの顔つきが変わる


「……ほぅ……それそうの覚悟があってなのか?後戻りはできねぇぞ」



「わかってる」



「お前はわかっていても……結衣はどうだ?一度、極道の世界に足を踏み込めば二度と外の世界に戻れねえ……親の死に目にも会えねえかもしれねぇぞ?」


私を見て言う康太のお父さんの目は真剣だ……けど、私も覚悟を決めたんだ。
< 185 / 205 >

この作品をシェア

pagetop