満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
自分の部屋に入って
そのままベッドに倒れこんだ。
普通に……
平凡に生きてきたのに…
なんで、こんなことに…
リビングの方で
お母さんとお姉ちゃんの話し声がした
「お母さん、今日泊まってく」
やっぱり泊まるんだ…
それも嫌だ……
あの男と顔を合わせたくない…
私は今日の疲れで寝てしまいそうだった
コンコン
私の部屋を叩く音がした。
『はい……』
私はベッドから起き上がった
「入るよ」
そうドアが開くと
『お義兄さ……ん』
あの男が部屋に入ってくる
どうしよ……逃げたい…
身体が動かない……
「冷たいね…結衣ちゃん」
『っ……』
「あれ以来、避けてたでしょ」
「寂しかったな…」
そう言いながら近づいてきた
いや……こ…こないで…
だれ……か……
声が出ない…
あの男の手が私の髪の毛にふれる
「相変わらず綺麗な髪…」
そう言って髪の毛にキスをしている。
本当に……いや…
私は怖くて動けない…
涙が出る……
「そんな顔して、誘わないでよ」
私の頬に触れようと手を伸ばしてきた