満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


クリニックは5日ほど休診にし
清掃と内装リフォーム

それでも私がクリニックに
足を踏み入れることはない


私の傷が治りかけ
シャワーを浴びれるようになった

病院ってこともあり
身体を拭いてくれるのは
ベテラン看護師の三井さん


『すみません……三井さん』


「……結衣先生にこんなことするバカは私が八つ裂きにしてやりたいわ」


『……ありがとう』




「結衣ちゃん……いつでも退院できるけど…どうする?」



どっちでもいい……


『どちらでも、構いません……』


考えるのがもう嫌になってる
聞かれたことは答えるし
会話もする

けど、何かしたい、何か聞きたいなんて全く思わないんだ。

一人でいるときは
外を見ているか
天井を見ている日が多い。


「結衣?……大丈夫か?」


康太が常に心配してくれる


『ん?大丈夫よ』


そう笑って返すけど
康太は笑ってくれない。


こんな私に
康太が笑ってくれるはずがない


翔平さんと康太が話し合いをし
私はマンションへ戻ることになった
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