満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


『……私は汚い……だから、汚い私に触れて欲しくなかった……』


私が話し出すと康太の眉が動く…
あ……怒ってる……


『汚れている私は康太の隣にいていい訳ない…だから別れたかった……そして、死にたかったの……』


『何もかも嫌で、自分が嫌いで……けど、それでも康太は私に手を差し伸べてくれたの……』

『私は康太の手が汚いなんて思ったことはない……この手で殺めたとしても……それは私のためでしょ?』

私は康太の手を握りしめる


「……結衣……自分が汚いなんて二度と言うなって言ったよな……」


『うん……まさか、また言うなんて思わなかった』

全ては私が蒔いた種……
だから、これも受け入れるしかないんだ


『私は康太とこれからも生きていく……それは出会った時から決まってるの。だから、康太に拒否権はないのよ』

私が言うと康太は笑ってる


『えー?なに、人が真剣に言ってるのに』

「ま、まさか、結衣に言われると思わなかったから……あははっ」


康太が笑ってくれて、私も笑った。
< 201 / 205 >

この作品をシェア

pagetop