満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
二人で
それからの私と康太は
今まで通り
……いや、今まで以上に
笑って、なんでも言い合って
過ごしていった。
1年はあっという間で
その間、康太は私を求めたりしなかった
一緒にお風呂も入る
抱きしめて寝る
だけど……エッチはしない。
それでもいいと思えるようになった。
私は康太から離れられないから……
「今日までお疲れ様、結衣先生」
『短い間でしたが、お世話になりました』
私は今日で医者をやめる。
小百合さんが復帰するまでは続けるって約束……これからは康太を支えていきたいし……家族を作りたいから…
「結衣先生……本当に辞めちゃうなんて……寂しいわ」
そう言ってくれるのはベテラン看護師の三井さんだった
『三井さん……いろいろ、ありがとうございました。遊びにきますから』
私は見送りされ
康太の車に乗り込み手を振った。
「良かったのか?」
康太の言葉に私は頷く
泣いて……言葉にならなかったから。