満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
そんなやり取りをしていたら
「どうしたの?」
私の部屋を覗くお母さん
「結衣ちゃんの婚約者って…」
男はお母さんに詰め寄る
「そうなのよ」
そう言いながら笑ってリビングは戻って行く
『康太…』
私は準備ができた。
ん。そう言って私の荷物を持ち
私の腰に手を当てながら
「行こうか」
部屋から出る
「ちょっと、結衣ちゃん!」
私に触れようとする男
いやっ……
そう思い目を瞑る
バシッ
その音に目を開ける
「先ほども言いましたよね」
「結衣に近づくなと…」
「俺を怒らせないでください」
康太が男に言った。
今だけ……
私は康太に甘えた……
康太がここから
逃がしてくれる。
早く……逃げたい……