満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜

真実を告げる


私が乗る車にはいつものように
桜田さん、康太、私。


もう一台には
あの男と、男の人たち…


『あの人たち…誰なの?』

「…組員だ」


康太が答えてくれる

「…大丈夫だ、悪い奴らじゃない」

『…うん』


色んな不安がある。
けど……
無理して笑うのも疲れた…


『…前に、進まなきゃ…』


心の声が出てしまったが
その言葉に頭をポンポンしてくる


頑張れって言われてるみたい。


実家には着いた
お姉ちゃんの車が停まっている。


康太に守られるように
腕の中に収められ
桜田さんはあの男と一緒に歩く。

組員さんたちは車で待機のようだ


玄関を開けると
パタパタとお母さんが走ってきて

「あら、結衣!どうしたの?須藤さんと桜田さんまで!」


「夜分、すみません。どうしてもお話がありまして…」

お母さんに頭を下げる康太


お母さんは桜田さんの横に
あの男を見つけると

「えっ?サトシさん!一緒だったの?」


その言葉に奥からお姉ちゃんも来る

「サトシ?飲み会じゃなかったの?」


玄関でガヤガヤしていると

「何してる、早く上がって貰いなさい」

お父さんの声がして、私たちはリビングへ向かった。
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