満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
次の日。
昨日の須藤康太の言葉を忘れていた私。
放課後になり
バイトへ行こうと
帰り仕度をしていたら
「なに、あの車!」
「見るからに、ヤクザでしょ」
「誰か待ってるのかな?」
「借金取りじゃねぇ?」
クラスメートが窓の外を見ながら
同級生が話している
「あの人が、ボスって感じね」
「いやだ、イケメン!」
「かっこいい!」
私には無関係な話だった。
鞄を持ち、教室を出ようとした時
「あれって……須藤康太じゃない?」
「え…あ、ほんとだ、須藤組のだ」
須藤康太…
その言葉を聞きながら
教室を出た。
須藤康太……
……
須藤…康太…
……。
須藤…………もしかして…
あれは、冗談じゃなかったの……
昨日の事を思い出した私は
車が停まっているだろう
校門まで走った