満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


実家をあとにする。


外で待機していた組員さんが
男を引き取り、車に乗り込む
マンションとは別の方角に車は去っていった。


少しだけ、
これで良かったのかと思った


「殺したりはしない…」

康太の声に頷いて
車に乗り込んだ。


「桜田、少しの間休む」
「仕事はマンションへ回せ」


「承知いたしました」

もしかして……私のため?
これ以上、康太に迷惑かけられない。

『康太……』


「大丈夫だ、俺が結衣といたいだけだ」


康太の優しさに
私はまた甘えた。


マンションに着き部屋に入ると
あの女がいた

「おそーいっ。康太」

甘い声、気持ち悪い……


「当分の間、来なくていい」

そう女に告げると

なんでなんでとうろたえる
桜田さんが女を帰そうとした時
私に気がつき、ものすごい顔で睨まれた。


私のせいじゃないし……


女が出て行き
康太と二人……
部屋は静かで、私は少し緊張した
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