満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
「本当に大丈夫か?」
康太は本当に心配性
『大丈夫だから』
今日から康太は仕事に行く。
康太はまだ私と居てくれるって言ったけど
これ以上、康太に甘えられないし
それに…桜田さんが日に日にやつれていってる気がするから。
「何かあったらすぐ連絡すれよ」
『わかったから……桜田さんが困ってるよ』
このやり取りを15分やってるから
桜田さんも少し呆れ顔
『いってらっしゃい』
ようやくいってくれた
一人になるのが久しぶりなような気がした
康太と過ごす生活は
私がどこか行こうとすると
「どこへ行く?」
必ず聞いてくる。
お風呂も心配して
何度も声をかけにくる。
鉢合わせしたことがあって
私も康太も顔真っ赤にしたこともあった。
さて、掃除しようかな?
私は玄関を後にしようとした時
ガチャ
玄関のドアが勢いよく開いた
見ると、息を切らした康太
『えっ?どうしたの?』
駆け寄ると
「…っ、結衣…携帯…」
息を整えながら言う康太
『え?携帯…?…………あっ!』
思い出した。
私、この1週間携帯を手にしてない。
『携帯、多分…部屋。充電切れ』
「ったく……ちゃんと充電しとけ」
そう言って私の頭をくしゃっとして
康太は行ってしまった。
あんなに心配してくれたことが
とても申し訳なく思った。