満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
夕方5時
私の携帯が鳴る
晩ご飯の支度をしていた私は
笑いながら電話に出た
『康太…心配しすぎだから』
何度も電話をしてくる康太
「何か変わったことないか」
『1時間前にも同じ事聞いてたよ』
「7時には帰る」
『はーい』
ある意味、私は子供扱いだ
ご飯の支度をしていたら
7時なんてあっという間。
ガチャ
玄関の鍵が開く音に
私は玄関へ急いだ
『お帰りなさい』
迎えると
顔を赤くしながら
「あぁ……ただいま」
その様子を呆れながら見ている桜田さん
『桜田さん、お帰りなさい』
そういえば
「桜田には言わなくていい」
そんな不機嫌な声
……えっ!?
まさか……まさかの桜田さんにも?
桜田さんは笑っている
「それでは、若、また明日…」
「結衣様、失礼します」
『桜田さん、ありがとうございます』
桜田さんを見送り、康太と一緒に部屋へ戻った。