満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
『先にお風呂に入る?それともご飯にする?』
何も考えなく聞いたのに
康太は顔が真っ赤。
え?なに?なんで?
「…新婚…みたい」
その言葉に私も恥ずかしくなり
先にお風呂に入って
そう伝えてキッチンに入った。
康太も私も新鮮な事ばかりで
毎日、そんなんじゃ身体がもたない。
早く慣れなきゃ。
慣れるんだろうか……
康太が慣れてくれたら
少しは違うのに。
康太のお風呂は早い
多分、私を一人にしないためだろう。
「今日の飯はなに?」
髪をタオルでガシガシ拭きながら
リビングに戻ってくる康太
毎日見てても、これだけは
見入っちゃう……。
「結衣?」
『あ、ごめんなさい。今日は煮込みハンバーグ』
「ん、ならすぐ食う」
『ふふ、はーい』
康太は嫌いなものがないのか
私が作るものは残さず食べてくれる。
『桜田さんも一緒に食べないか、誘わない?』
そう言ったことがあったけど
却下された
「結衣の料理は食べさせたくない」
康太のヤキモチは半端ないんだ。