満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
「後を10分で着く」
『うん、待ってます』
それだけ言って電話を切ると
にやけている麻衣子。
『え?なに?』
「なんかいいなぁ…愛されてるねぇ」
……そんな事を……ある。
何かがなくても、気にかけて連絡してくれる、必ず帰る時には連絡してくれる
そんな些細なことでも、私は嬉しかった。
ガチャ
ドアが開く音がして、玄関へ急いだ。
『おかえりなさい、お疲れ様』
「あぁ、ただいま」
『桜田さん、お疲れ様です』
「結衣様、今日はお誘い頂きありがとうございます」
『いいえ、いつもお世話なってますから、何かお返しをしたかったんで…手料理ですみません』
「いいえ、光栄なことです」
桜田さんが頭を下げる
『康太、今日は先にお風呂ね』
『あ、桜田さんも…お風呂済ますてラフな格好に着替えてきて下さいね』
「あ?結衣?」
少しだけ機嫌が悪そうな康太
『せっかく、4人でご飯だから…康太と桜田さんはお酒飲むでしょ?』
「桜田が飲んだら送れねぇだろ?」
『あ…けど、一人スーツなんて、こっちがかしこまっちゃう…ね、いいでしょ?』
2度目は無理かな…色仕掛け
「……わかった…桜田」
康太の声に桜田さんは、自室へ戻って行った。