満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


卒業式の前日

『明日、私の両親は自分たちで行くって』

康太が迎えに行くって言ったけど
やっぱり…あの車に乗るのを遠慮してしまうらしい…


「あぁ、わかった」
「あ、姉と義兄さんも来るってよ」


『えっ?本当!嬉しい』
二人に会えるなんて思ってもみなかったから嬉しいし…


私が通ってる高校の卒業式は誰が来てもいいんだ…青南高校は企業のお坊ちゃんやお嬢ちゃんが多い…だからなのか親戚まで来ることが多いんだ

生徒の数より保護者の方が明らかに多い。

「あ……親父たちも来るから」


『ん?あ、そっか、麻衣子喜ぶね』

麻衣子、良かったー卒業式まで一人なら、本当に落ち込んじゃうよね……


「……わかってんのか?」
「終わったら、みんなで飯食うから」

『うん!……みんな?』

小百合さん達?
私の両親かな?


「結衣の両親、姉夫婦、麻衣子…親父たち…」


康太の言葉に私は止まった

『……親父たち?』

「あぁ、結衣に会いたいんだとさ」

『…………』

「麻衣子は親父に会うたびに結衣の事を話してたらしい、だから会ってみたいって」
「麻衣子が本家に住めるよう話した時に、結衣の話もした」

「あ、結衣の両親にも話してあるから」


康太の話が……理解に苦しむ


『…明日…休もう…かな』
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