満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
「す、すみません…」
「…若っ、何を言いだすんですかっ」
桜田さんはぶちまけたお茶を拭きながら康太に言う。
「麻衣子がいいなら問題ねぇだろ」
桜田さんは少し困った顔をしている
『麻衣子…?麻衣子!』
私の呼び声にようやく気がつき
「あ……え?…うん」
確かに麻衣子は桜田さんのこと好きだけど……もしかして康太も気がついてたの?
康太を見ると私に気がつき
口元が少し笑っている……やっぱり…
だから、私も乗ったんだ
『それ、賛成!だって、いつでも麻衣子に会えるし…正直、麻衣子が心配だったの。夜は一人だし…ご飯だって一人で食べるなんて寂しいよ…』
私の発言に康太は
さすがっと言う顔をしている。
『桜田さん…私ね、毎日康太が仕事して帰ってくるのが待ち遠しいの……康太が私の所へ帰ってきて、私の作ったご飯を食べてくれる……すごい幸せなんだ……麻衣子も…そんな風に幸せになって欲しいの』
桜田さんは黙って私の話を聞いていた。