満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
麻衣子はお母さんと和解をした。
和解というか……言葉足らずかな。
麻衣子のお母さんは麻衣子が嫌いなわけではなく、ヤクザの世界に入れたくなくて、距離を置いていたという。
実際、麻衣子のお母さんは危険な目にあったらしい。
「康太が結衣さんに出会わなければ、こうならんかったな…結衣さんに感謝だ」
そう言って私の頭をポンポンしてくる康太のお父さん。
その手を払いのける康太
「結衣に触んなっ」
「俺の娘になるんだろ?ならいいじゃねぇか」
康太と康太のお父さん…やめてよ…。
私はため息をつき、席を立つ。
『小百合さん、翔平さん』
「結衣ちゃん、元気そうね」
「ちゃんと薬のんでる?」
『はい…けど残りわずかです』
「飲み終わったら、数日で生理がくるから……そうね…その頃、連絡するわ」
『はい。ありがとうございます』
なんだか、楽しい食事会になった。
お父さんとお母さん、お姉ちゃんも
楽しそうに笑ってくれてる。
みんなが笑ってるのが
ずっと続けばいいなって思った。