満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜
『康太……なんか、手が赤くない?』
仕事から帰ってきた
康太の拳が少し赤かった
「ん?あぁ…ちょっとイザコザがあってな…」
イザコザ?
『…殴ったの?』
「ん?…あぁ…」
殴るなんて、何があったのかよくわからないけど、もしかしたら康太も殴られる事もあるんだよね……
『大丈夫?冷やそうか?』
「ん?…いや、大丈夫だから」
少しだけ康太の様子もおかしかったけど
最近、帰りも遅いから疲れてるせいだと思っていた。
『今日は早めに寝ましょ』
「…あぁ」
それでも寝るときは必ず抱きしめてくれる…抱きしめてるっていうか……抱きついてって言った方が正しいのかも。
私の腕の中で康太は寝るんだ。
何かを抱えてるんだと思ったけど
私は何もしてあげれないから……
なるべく、私は明るくしていたよう。
いつもと変わらない私で……。