満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


数日後、暇があれば遊びに来る麻衣子


「最近、桜田さん…変なの」

『ん?変って?』

「なんか、いつも考え事してる…」
「……たまに、軽い怪我してくる」

『えっ!?』

「義父さんに聞いても、大丈夫だしか言わないし……」

……康太と一緒かも。


『麻衣子……康太もなの』

「っ??」

『イザコザって言ってた…手が赤いの……毎日の。誰かを殴ったみたいで…』

「……もしかしたら、抗争かな」
「他の組と喧嘩っていうか争い」
「須藤組って有名だし、敵対する所だってあるだろうし……」

『……大丈夫かな…』

「たいした怪我してないけどさ……もしかしたらって考えたら怖いね……」

『……もしかしたら……』

もしかしたら……康太が大怪我するかもしれないし……もしかしたら、もしかしたら……

康太が居なくなったら……

そう考えるだけで辛い……苦しい…

「大丈夫だって」
「けどさ……結衣はまだ……なんでしょ?」

まだ?

「……まだ、してないんでしょ?」

麻衣子の言葉に顔を赤くし

『まっ…まだ……』

「もし、万が一があってさ……それ、後悔とか、しないかな?」

『え?は?何言ってるの!?万が一なんて!』

麻衣子は私の怒りっぷりに笑っていた。
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