別に好きになってねぇから。

ここが新しいクラスか…。


「失礼します!」


「アンタここ職員室じゃないんだから…って」



────ドンッ



結子がツッコミした次の瞬間、私はなにかにぶつかった。




「いたっ」



「…」



目の前には焦げ茶色の髪の毛で鼻筋がまっすぐ通った透明感と清潔感のある白い肌に整った輪郭。


キリってした眉毛に涙袋がある大きな瞳。



綾崎くんっ!!



「本当に失礼しました!」



綾崎くんとぶつかった~!


私、夕槻 澪(ゆうづき みお)高校3年。



この高校3年いい事起きそうな予感しかしません。




「あ、うん」



そして綾崎くんは私の横を通って。



石鹸の香りが漂った。



綾崎くんと話せた!!



すごい嬉しいよ~!


「結子~」


「うるさい。早く椅子につけ」







新しい担任の挨拶。
クラス全員の自己紹介。


現在HR(ホームルーム)中。



綾崎くんと私の席は真逆の位置で



私は窓際の一番後ろ。



綾崎くんは廊下側の先頭。



にしても綾崎くん、かっこよかったなぁ。



相変わらず冷静沈着というかクールにうんって!




「…はい次」



脳内綾崎くん一色の中、先生が何かを言ってる。



私を見つめて…



あ、自己紹介ですか。



私はクラスで最後の自己紹介だからここは気合いをいれないとっ!



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