別に好きになってねぇから。
♡綾崎くんと委員会
【澪side】
放課後。
廊下で話す生徒の声、窓の外のグラウンドで部活に熱を入れる生徒の声。
色んな人々の声が教室に届くなか私は委員会がある故に視聴覚室へ向かう。
…綾崎くん先に行ったのかな?
教室にいなかったし…。
今回は待ってくれなかったな。
まぁ私が委員会忘れて結子に綾崎くんとイルカショーテスト終わりに見に行く、そして綾崎くんがお母さんに彼女いるって嘘ついて紹介してくれって言われてることを言ってたからね。
あのクールな綾崎くんのことだし委員会あるから視聴覚行くよ?なんてことは言わず私を放置したんだろう。
それにしても結子さん。
「わ、私。綾崎くんのお母さんに紹介される彼女役するんですか!?」
一日限定っていう特別感満載の彼女はお母さんに紹介される偽カノってやつだったんですか!?
「まぁ、どちらにせよデートはデート………って」
違う!!
お母さんに紹介だよっ!?
綾崎くんのお母さんに会うんだよっ!?
2人きりじゃないじゃん!これをデート誰も言いませんよ!
デートじゃない…。
ましてやお母さんに挨拶……。
偽カノ……。
「デートより更に緊張するじゃん!」
「おい。夕槻誰と喋ってんだ気持ち悪い。お前、委員会だろ?さっさと視聴覚室へ行けよ」
私が緊張感に怯えて独り言を呟いてると目の前から担任の先生が。
あらあら、こんにちわ。
相変わらずネクタイずれてますね。
「…聞いてんのか?視聴覚室は反対側だ、さっさと行け」
ボーットする私に担任は厳しく叱る。
反対側っ!?
Oh Nooooo~!!
やたら長い時間綾崎くんを視聴覚室で待たせてしまってるじゃないか、夕槻 澪。
このバカチンが~!!
「ほらほら3年A組金△先生、いっちょ言ってくださいよ。この?」
「バカチンが~!」
先生、ノリありがとうございます!!
では行ってまいります!
そして私は先生にネクタイずれてますねと注意せず視聴覚室へいざ出陣であります。