別に好きになってねぇから。


すると綾崎くんの手が私の頬っぺたに伸びてきた。




……っ!




余裕なんてないって言った直後に、これはズルい。




綾崎くんに私の独り言なんてきっと聞こえてない。





「なに可愛いこと言ってんの」






それなのにどうして…ねぇ?




聞こえてたみたいなこと言うんですか?




綾崎くんの長い睫毛が下向きになってた睫毛が上向きになる。




……綾崎くんおはようかんです。




って可愛い!?




私の何処が可愛いのっ!?



だ、だけどさ!



綾崎くん私のこと1ミリでも可愛いって思ってくれたの?




……今日やっぱエープリルフール!?



違うこと祈りますよ、神様!




「泣き虫…」



綾崎くんは顔をあげて私の頬から手を離す。





泣き虫!?




可愛いって言った途端、即私をバカにする綾崎くん。



なんで今そんなこと言うの~!




すごく青春感出てていい雰囲気だったのに。




脳内の花が全て枯れて冷たい風によって散った気がした。





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