別に好きになってねぇから。
「綾崎。本に夢中だな、ラブレターの存在多分気づいてないね」
「ラブレターより本かぁ…」
「みたいだね。もう口頭で告白しちゃえば?」
…………ぼーっ。
(ただいま思考停止しております、暫しお待ちください)
………口頭で告白?
「いやいやいや無茶苦茶だよ!まだラブレター読んでくれるかもしれないじゃん「席につけ~」
そう結子に言ったのと同時に先生が教室に入ってきた。
今からHRだ、今日は始業式とHRしかない。
このHRが終わったら帰宅できる。
だけど綾崎くんとはお別れ。
ラブレター読んでくれたら返事くれるからHR終わったらまた会える。
だけどフラられない自信はない。
フラれる自信は山の様にある。
綾崎くんに会えてもフラれちゃうから複雑な気持ち。
だったら尚更、ラブレターに気付いてくれない方がいいかも。
だけどせっかく始業式サボって気持ちを伝えようと書いたラブレターそれをずっと読まれないなんて…
「…終わりだ。部活がないやつはさっさとお家へ帰れ」
「綾崎くんっ!」
『起立礼さようなら』の挨拶を終え担任が教室を出た途端、綾崎くんのもとへ行く私。
帰る準備をしていた綾崎くんは私をみて迷惑そうな顔をしている。
…ごめんなさい、帰る予定だったのに予定狂わせちゃって。
だけどラブレター読んでほしいんです。
ちゃんとフラれるならふられたいんです。
「ラブレター机の中にいれたんで読んでください。お願いします!!」
…私といったらまだ生徒がいる教室で何をしてるんだろう。
だけど
私は綾崎くんが好きでちゃんとラブレター読んでふられたいんです。