別に好きになってねぇから。
「頼む!」
そしてラブレターを読み始める綾崎くん。
お~っ!読んでくれた!
私いまきっと宇宙一幸せ者だよ~(大袈裟)
「なんて書いてるの?全く理解できない」
「……へっ!?」
わけわかめですか、綾崎くん。
…それに。
あ、世界で最も幸せなのは一瞬だけか。
クールな綾崎くんは私に毒を言う。
「字読めないほど汚かった!?私書道習ってたんだけどなぁ」
字には結構自信があるんだけどなぁ……。
「いや別に書道習ってたかなんて聞いてないよ。内容が伝わって来ないだけ」
…………そしてほらまた、毒を言う。
「あと誤字脱字が多過ぎ。国語の勉強しっかりやってないでしょ」
…なぬ!?
国語の勉強やってないことを何故知っている!?
って違うわ!
さっきから綾崎くん私に辛口発言ばかり……。
「……図星?」
ⓨⓔⓢ♡
「で、なんなの?内容」
ラブレターなんだから大体想像はつくと思いますが。
それにしてもさっきから綾崎くんがクール超えて冷血漢で毒舌の性悪人間にしか思えない。
「俺の彼女になりたいとか好きだのなんて言葉以外だよね?」
…はい、それ以外じゃなくてそれです。
いや付き合うのはダメもとってわかってるけど。
あわよくばフラれる自信満々ですけど。
「綾崎くんが高2の時から好きです!付き合ってくださいっ!」
「たった1年?浅いね。まぁ何年好きだとしても俺は付き合わないよ?」
…………綾崎くんに告白した女の子が泣いて『ふられた!あんなの仮面男子だ。顔だけ中身はゴミ以下だ。二度と好きにならない!』って言ってたけど
今ではなるほどってよく理解できる。
ちなみに私も正直なところさっきから毒ばっかり吐かれてメンタルは破壊寸前だ。