別に好きになってねぇから。


「…澪!」


突然後ろから私を呼ぶ声が聞こえ振り向いたら肩を揺すぶられた。


結子…?


「今のなによ!綾崎ってあんな俺様だった?」



「ゆ、結子落ちるっ!」


ここ階段のど真ん中だよ~!



そんなに肩揺らされたら体のバランス崩して絶対階段から落ちるから!


そして誰かと中身入れ替わるから~!



「あ、ごめん…」


結子はすぐに手を離してくれたけど。



「…とりあえず教室に戻って話すよ!あんた鞄も置いてるし」



すぐに手を握られ教室へ連行されました。



誰もいない教室。


結子と綾崎くんについて話してる私。



結子は私が心配で追いかけみたいでずっと私と綾崎くんが話している現場にいた。




そして綾崎くんがなんで私をパシリにするのか…



「私にも理解ができないよ~!綾崎くんって毒舌なの?意地悪なの?」



いやそんなはずはない。


大人しくてクールなお方だ。


だけどさっきの綾崎くんは紛れもなく腹の中真っ黒そうな人だったぞ。





「王子様の裏の顔だね。だけどクールなのは確かだね」



「いやいやいやクールってレベルじゃないっ!綾崎くんはもはやヤクザ並みに怖いよ!」



綾崎くんの親戚なんてもはや本当のヤクザだったりするかも!



「あんた上」



突然真顔でそう言う結子。



いや今は綾崎くんの話題でしょ。


話逸らすな!




「上ってさぁ~今は…」


「…ねぇねぇ」



わああっ!




ドッキリに引っ掛った人みたいな驚きをみせ寿命が50歳ぐらい短くなったなぁ、ドッキリに引っ掛かる人って寿命がこんなにも縮んだ気分になるんだなぁ、なんて関心してる私。





って違う!




頭上に重み感じるし頭上から声が聞こえたんだよ!





うん、聞き覚えがある声。



きっと綾崎くんだ。



顔を上に傾けると案の定綾崎くんがいる。




「え、な、なんですかっ…」


まさかまさかヤクザ並みに怖いって言ったこと聞こえてて怒ってる!?


え、それはまずいよ!!


親戚のヤクザ連れてきて私メンタル面だけじゃなく体までズタズタのボロボロにされて病院送りなるよ!




「ご、ごめんなさいっ~!」




「…あ?何が?」



え……。


よかった。



ヤクザ並みに怖いってのは綾崎くんのお耳には入ってない様だ。


ふぅ、一安心。


「いやいやなんでもないです!」と誤魔化す私。



「ふーん」



そして綾崎くんはわたしの頭の上から離れる。



何話してたの?って尋問したり怪しがったりしないんだ。



「そう言えばテストだよね。お前大丈夫なの?」



「は、はいっ!?」



テスト!?


なんですか、それは!


いやいや紙をたくさん使い資源の無駄だと言っても過言ではない試験だとはわかってるけど何時そんな面倒なことあるんですかっ!?



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