あなたに恋してる

もっと繋いでいたかったと思ってしまう
私は、今日、1日で欲張りになってしまった。


早急に後片付けが終わり解散になると、
荷物を更衣室から持ってきてくれていたえみりのおかげで水着の上から服を着れた。

呼び止めるお兄ちゃんを無視して帰ろうとしたら真斗が肩を掴み耳元で囁いた。

『来週、コンフォルトで待ってる』

…来週のいつと聞きたかったのに突然の出来事にドキッとして言葉が出てこない。

口だけがあたふたとしている私の頭を優しくポンポンとして去っていく。

多分、聞かなくても金曜だとわかっているけど…早く会いたいと鼓動が高鳴る。

ねぇ、真斗…

気づいてる⁈

私の心はあなたでいっぱい。

初めて触れた真斗の胸板のたくましさに
ドキドキした。

初めてのキスは情熱的で欲情が湧き出し止まらない。

初めて繋いだ手は…奥底にしまっていた恋心を呼び起こしてしまった。

指が無意識に触れた唇は今だに熱を帯びて熱くジンジンとする。

この熱が、一生消えなければいいのに…

欲張りになっていいですか?

冷たいくせに時折見せる優しさに…
キスしてきたあなたに…
手を繋いで幸せそうに見えた私達の影のように期待してもいいですか?
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