あなたに恋してる
「美雨⁈…美雨たら聞いてる?」
「えっ…なんだった?」
「やっぱり聞いてない…上の空なんだから…」
「ごめん…」
車の中で頬を膨らませるえみりに両手を合わせて謝った。
「もう…いいわよ」
「よくないよ。今度はちゃんと聞くから、ねっ…」
「……美雨のお兄さん…大也さんに彼女いるのかな?」
頬を染めつぶやく。
もしかして…お兄ちゃんを⁈
「いないと思うけど…お兄ちゃんのこと好きになった⁈」
「………まだ、好きってわからないけど…気になる」
「そっか…今度、お兄ちゃんにそれとなく彼女がいるか確かめてみる。それとえみりのこともどう思っているか聞いてみるね」
「美雨、ありがとう…」
私の両手を掴みぶんぶんと振りながら喜んでいるえみり。
この様子だど、気になるなんてものじゃないわよね。恋するえみりが可愛くて微笑んだ。
「……美雨、笑わないでよ」
「だって…えみりかわいいんだもの」
「あらっ…それを言うなら美雨なんだけど…真斗さんとどこへ行ってたのかな⁈結構長い間2人して消えてたわよね…戻ってきたら手を繋いでて美雨の顔は真っ赤で恋する乙女って感じで可愛かったわよ」