あなたに恋してる
愛してダーリン

えみりの為にひと肌脱ぐと決めた私は、いろいろ詮索されるのを覚悟で翌日、お兄ちゃんに連絡した。

「お兄ちゃん、昨日はありがとう」

「あぁ、悠が見つけて来なかったらお前達、変な男にナンパされてたぞ」

変な男は置いておいて、それが目的で連れて行かれたなんて言えない。

「そんなの、相手にしないもん」

「どうだか⁈あんな露出の多い水着着てウロウロしてたら声かけてくださいって言ってるようなものだぞ」

ちょっとお怒り気味のお兄ちゃん。


「ところでお前、真斗と知り合いだったんだな…どんな関係なんだ⁈」

「なんでもないって……真斗とは飲み友達だから…」

「手を繋いでいたのにか⁈」

「……えっ…と、歩く度にナンパされるから真斗が…彼氏のふりしてくれたんだよ。ところで、お兄ちゃんと真斗ってどんな知り合いなの⁈」

苦しい言い訳に胸の奥が更に痛みだす。

「高校の同級生だよ」

「ふーん」

3年も真斗といて彼のこと何も知らない。

「美雨…あいつは長い間付き合ってる女がいるぞ。そろそろ結婚するかもって悠が言ってたから………」

………………うそ。
途中からお兄ちゃんの声が聞こえてこない。
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