あなたに恋してる
憂鬱な日々の中、真斗に会えることを楽しみに黙々と仕事をこなした。
相変わらず、杉本さんの私に対する態度は辛辣で泣きそうになることもあるけど、彼女の前で泣かない。
そんな私に苛立ち、かげ口はエスカレートしている。
「あの子がいるとイライラするのよ。早く辞めてくれないかしら…」
「……」
「話しかけてきても、聞こえないふりして無視してやったわ」
「……」
「困っていても、助けちゃダメよ」
ドアの向こうに私がいることに気づかず彼女の声が休憩室の外に漏れている。
原因は私にあるかもしれないがそこまで、彼女に嫌われる理由がわからない。
まだまだ、勉強不足の部分や不慣れな部分があることで迷惑かけていることは認める。だけど、それ以外のことで悪く言われると人として彼女と仲良くしようと思えない。
下唇をグッと噛んで、かげ口が終わるのを待つ。
「あの子、なにしてるのかしら…鈍臭いんだから…休憩時間なくなるわ」
ドアノブに手をかけドアを開いた。
気まずい雰囲気の中作り笑いを浮かべてる。
「遅くなってすみません。最後の患者さん帰られました」
「……私達、ランチに行くから電話番お願いね」