あなたに恋してる
「……はい」
1人でお昼休憩している方が気が楽でいい。
でも、いいのかしら⁈
今日は、金曜
大和薬品の田近さんが来る日なのに…
彼女が田近さんと会えなくても私には関係ないけどね。
お弁当を食べ終わる頃、いつもの時間に大和薬品の田近さんがやってきた。
「こんにちは」
「こんにちは…暑い中、ご苦労様です」
「仕事ですから…あれ…今日は1人ですか?」
外は暑いのに爽やかな笑顔で微笑んでいる。
「はい…電話番です」
「よかった…この前からゆっくり前園さんと話がしたかったんだ」
「……いつも、お話してるじゃないですか⁈」
内心、ドキッとした。
「仕事でじゃなくて……その…この間の飲み会に前園さん来なかったし…」
あっ、あぁ…あの日ね。
「今日、2人きりでどうかな⁈」
照れ臭そうに微笑んでいる。
でも、あなたは杉本さんのお気に入り…
2人きりで飲みに行ったなんて知られたら……それに、田近さんは素敵だど思うけど、気の無い相手に期待を持たせるのはよくないと思う。
「2人きりでというのは困ります」
私の立場と気持ちを込めて断った。
「杉本さんのこと気にしてるなら心配ないと思うよ」