あなたに恋してる
愛してるが届かない
「俺だけを見ろ」
むき出しにした独占欲で手を繋いだまま壁との間に閉じ込め逃げ道を塞ぐ。
愛しい女に触れるキス。
愛を囁く代わりに何度も触れては離れ啄む唇。
夢中になって終われないキスはいつまでも続いて体が熱く彼女を求めている。
彼女の唇は暗がりでもわかるぐらいツヤツヤと濡れ、誘惑されるように自然と唇に指が触れれば、美雨の指も俺の唇をなぞる。
唇とは違う指先の感覚に体にカミナリが
落ちたかのように痺れた。
心の赴くままその指を啄み、彼女を誘惑する。
「…あっ」
「キスだけで終われない」
お前もそうであってほしい。
俺をほしいと思うならこの奥のドアの向こうに自ら来い。
「お前に選ばせてやる。そのドアを開け出ていけば今まで通りの関係だ。だが、このドアよりこちら側に来たらもう俺は容赦しない……どうするか決めろ」
俺を選ぶならお前の体に俺を刻み付ける。誰にも渡しはしない。
奥の部屋にある寝室
俺はドアを開け、彼女が入ってくるのを祈って待っていた。
下着姿のまま現れた彼女。
俺はその瞬間、彼女を捕まえベッドの上に引き込んだ。
「いいんだな⁈」
もう、後戻りする気もないが最後に彼女の意思を確かめ首筋に唇を落とす。