嗤わない月の下で
さようならレディ
その日は、時間帯をずらして会社へ向かった。

そして、夕暮れ。

彼女の元へ訪れる。

「こんばんは」

少女が立っていた。

「こんばんは」

彼女は少し寂しそうだった。

「そう、あなたお父さんを許したのね」

やはり判っていたか、気づかれると思っていた。

「ああ、君もお父さんとお母さんの元へ帰った方がいい」

彼女は俯いた。
< 121 / 127 >

この作品をシェア

pagetop