嗤わない月の下で
嗤わない月の下で
「ありがとうミスター、遅くなってしまいましたが、迷わずに帰れそうです」

「お嬢さん、この美しい月夜の晩に踊りましょう、消えて無くなるその時まで」

聞こえてくるペーパームーン。

私たちは満月の路地を踊った。

だんだんと、彼女が月明かりに解けていく。

「あなたに、お母様の残した詩を、あげる

今はとて天の羽衣着るをりぞ

君をあはれとおもひいでける」
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