嗤わない月の下で
すっかり彼氏彼女になった私と佐藤さん。

ふと、思った、彼女には話しても良いんじゃないだろうか。

私は、なづみちゃんとの事を彼女に話してみた。

「おかしい、かな?」

彼女は少しポカンとしていたがやがて口を開いた。


「それってロマンチックな話ですね」

やはり信じてもらえないだろう。

「でも、そのなづみって子に嫉妬しちゃうな」

「どうして?」

「あんなに楽しそうな武田さんを独り占めするなんて」

ふふ、と彼女は笑った。
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