嗤わない月の下で
帰路につく。

足は勝手に路地裏の方へと向かった。

今日は曇りで路地裏がいっそう暗かった。

「こんばんは」

背後から声が聞こえた。

間違いなく、あの声だった。

私は、これをまっていたのだろう。

振り向くと、今日は畳んだ状態の傘を持っている彼女がいた。
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