嗤わない月の下で
うーんと彼女は悩んで煮物に箸をつけた。

少し大振りな大根を一口で食べる。

多少、品にはかけるが、女性であると気取らない所が彼女の良いところだろう。

「おいひいー」

「飲み込んでから話そうね」

しばらくもごもごした後、ごくんと飲み込む。

「武田さん料理うまいですねー、良いお嫁さんになれます」

はは、と笑いミートボールを頬張る。

甘辛いたれと肉のうまみが広がった。

美味しい。

「このミートボール美味しいよ、たいしたもんだ」
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