嗤わない月の下で
ドクンと心臓が跳ね上がった。

まるで、心臓が、彼女の所へといけというように。

私はなぜだか、彼女の元へと引き寄せられていった。

抵抗出来ない、力が抜ける。

「こんばんは」

スカートの裾をつかみ優雅な挨拶をする。

そして私の手をつかんだ。

ヒンヤリとした小柄な手。

私は引き寄せられるように路地裏の奥へと連れて行かれた
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