嗤わない月の下で
会社に着くと、ほとんど外食に出かけ、ぽつんと佐藤さんが残っていた。

「ごめん、おまたせ」

「もう待ちました、おなかがぐーぐーですよ」

可愛くぷうっとふくれっ面をする。

「はは、ゴメンゴメン、代わりにとっておきの出汁巻き卵あげるから」

「そ、そんな物で女の子の機嫌はとれません!」
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