嗤わない月の下で
ああ、まずい、この先で若者でもいたら大変だ。

しかしそこは真っ暗な暗闇、そして彼女だけの気配。

真っ暗の中彼女の目だけが光る。

かしゃんと傘を閉じる音。

「初めまして、ようこそパーティーへ」

パーティー?

相変わらず体から力が抜けている。

少女はすっと手を伸ばして私の腰と手に自分の手を絡ませた。

ダンスの格好そのものだった、私もつられて手をまわす。
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