人間カード
何度も悲鳴を上げた。
脳裏に映るのは、じいちゃんの顔だったり、ばあちゃんの顔だったり。
ああ。じいちゃんも、ばあちゃんも俺が居なくなったら心配するだろうなあ。
結局、小さい時からずっと面倒見てくれたのに、何の恩返しもできなかった。
『寒いから、マフラーを巻いていきなさい』
柔らかくて暖かいばあちゃんの手。
『大人になったらいっぱい恩返ししてくれればいいから』
いつも気遣う冗談を言う元気なじいちゃん。
ごめんな。二人とも。
こんな親不孝な息子で。
俺の本当の親は、じいちゃんとばあちゃんだ。
ありがとう。
寂しかった。
じいちゃんと、ばあちゃんと離れることが。
子供くさい事はあまり考えたことがないけど、もし死んじゃったら、天国って場所はあるんだろうか?
天国に行ったら、俺の父さんと母さんは待ってくれているんだろうか?
「もう、いいじゃない。この子は何も知らないわ」
「そうだな。じゃあ、解体作業を始めるぞ」
「わかったわ」
「明日の朝までには終わらす。人間カードはマモルくんの家に送るように手配しておいてくれ。美木堂レンを知っているなら威嚇になる」
マモルのやつ……今頃、俺とユウカがいなくなって泣いてんじゃねえか。