人間カード
無事に審査を通過すれば、契約書が郵送で送られてくる。
人間カードのことを口外してはならないなど、こちら側が約束する内容が非常に多い。
その契約書を送り返せば、やっと人間カードの公式サイトに入ることができるんだ。
不思議なもんだよな。
普通の通販サイトのページに飛んで、ログインすると人間カードのホームページが表示されるようになっているんだから。
公式ホームページは、背景が真っ黒な如何にもって感じの怪しい雰囲気で、色々な項目が用意されている。
だけど、人間カードの注文以外の項目を見るのには閲覧料が必要なんだ。
俺は真っ先に人間カードを購入した。
人間カードが1枚、手に入ればそれでいい。
価格は1枚30万円。
本物の人間を牢獄に閉じ込められることを考えれば、決して高い金額じゃない。
でも、実際に自分の手に人間カードが届いても、ただの紙切れにしか思えなかったんだ。
厚さ2mm程度のただの白い紙だ。
指で触れた感触で、上質な紙である事には間違いないが、これが人間を閉じ込める品物とは到底思えない。
この紙切れで本当に人間を閉じ込めることなんてできるのか?