未来 ~future story~
気がついたのは夜。

丸一日すっかり眠っていたのか。
手には相棒が握られている。
通知を示すライトがリズムよく光っている。
瞬きをして目の焦点を合わせると、
通知が何件か来ていた。
心配する旨のクラスメートからのメール。
登録サイトからのお知らせ。
隆夜からも…数件届いていた。

うざい。

今日知り合ったばかりじゃないか。
昨日まで他人だったのに。
構ってくれるのは素直に嬉しいが、
いきなりそんなに親身になってもらわなくていい。
私のことなんて、誰もわかってはくれないんだから。

隆夜の通知は無視して、携帯ゲームやSNSの方をやることにした。

こうしている時間が、一番楽だ。
何も考えず、目の前のことにだけ笑っていられる。
私の居場所は、結局ここしかないんだから。
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