未来 ~future story~
『今から勉強でもしようかと』
とだけ、返す。
ゲームやSNSばっかりだとマンネリするから休憩がてら勉強を始めようかと思ったところだったから。

『お、えらい。わからないところとかない?』

いや学校行ってないんで基礎的なことしかわからないんですが…。
『多分、大丈夫だと思います』
裏腹に、そんな言葉を返す。
『そっか。わからないところあったらいえよ?』
『ありがとう』

やり取りを交わしながらノートを広げて参考書を睨む。

勉強は、嫌いじゃない。

そういえばさぁ、
と隆夜が切り出す。

なんですか、
と返す。

『お前無視するなよー、心配したんだからな!』

『関係ないじゃないですか、心配しなくていいよ』

『なんかあったんじゃないの?』

『なんもないです、さっきまで寝ちゃってただけだし、学校もただのずる休み。』

なんだー、と返信が返ってくる。
『てっきりなんかあったんかと。』
勘違いしてごめん、
と隆夜は続ける。

『ま、なんもないなら、さっさと学校行けよ。』
< 9 / 11 >

この作品をシェア

pagetop