Love nest~盲愛~

「色気が無いと心配してるようだが、安心しろ」

「え?」

「男を知れば、自ずと色気は出るようになる」

「っ……」


そういうものなのね。

私がまだ子供なのは承知の上という事なのだろう。

再び塞がれた唇は、ほんの少しだけ大人な気分を味わわせてくれる。

こういう事一つ一つを経験しているうちに、きっと私にも色気が出るのだと彼が言うから。

唇から溢れる吐息が熱く、吸い上げられる舌先が甘く痺れるように。

彼から与えられる全てが、彼を満たす糧になるなら…。


「今日のえなは、随分と積極的だな」

「ふぇっ?」


理解し難い言葉にポカンとしてしまう。

無我夢中に彼のキスに応えてただけなんだけど。


「なら、これくらいは許せるよな?」

「……んっ?!!」


ニヤリと瞳に怪しい影を落とした彼は、はだけたガウンの隙間から手を這わせた。

その手は私の膝に乗せられ、指先がネグリジェの裾の中へと滑り込む。

決して無理やりなわけではなく、そっと触れるように伝う指先に全神経が研ぎ澄まされたみたいに集中して。

腸骨まで上り詰めた指先は、ショーツの布地に触れ漸く止まった。

思わず息を呑む。

この先に行われそうな事柄が予想出来るだけに、心臓が壊れそうなほど暴れている。


「意外と大丈夫そうだな」

「へ?」

「もっと暴れると思ってたから」


相当なお子様だと思われている。

まぁ、仕方ないのだけれど。


「嫌がったりはしませんよ。ただ、怖くて固まるとは思いますけど…」

「それは想定済みだ」

「なっ……」

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