Love nest~盲愛~
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「意外と料理は上手いんだな」
「意外は余分ですよ」
「フッ、悪い悪い」
シーフード好きな彼の為に、エビとイカを使った和風パスタをチョイスした。
それと生ハムとアスパラガスのサラダと人参のラペとオニオンスープ。
玉ねぎを炒める時間がかかる分、チーズをコトコト煮込む時間はカットして粉チーズで代用。
父親が好きだったスープだから、よく作った事もあり、味には自信がある。
「哲平さんのお母様が作ったタンドリーチキン、凄く美味しかった記憶があります」
「あぁ、アレは父親の好物で得意料理だったからな」
「そうなんですね」
彼のお家の庭でよくBBQをして、よく味が染み込んだチキンを焼いて下さった思い出。
子供向けにヨーグルトを沢山使ってくれていて、辛さはあるもののとても美味しかった。
私には母親の記憶が無い。
生まれて直ぐに亡くなったから、写真でしか見たことが無い。
いつも会うたびに、彼のお母様が髪を可愛く編み上げてくれたのが嬉しかった。
「お酒飲むか?」
「う〜ん、どうしましょう」
飲んでも大丈夫なのかな?
まだプロポーズらしきものはされてないんだけど、お酒を飲んで覚えてられるか自信がない。
夕食を食べ終え、お風呂も済ませ、2階のテラスに移動した私達は、都会の喧騒を忘れる程の星空に目を奪われた。
「星がこんなに近くに感じれたのは久しぶりです」
「ん、俺もだ」
海が近くて星空が綺麗な場所に住みたいと、付き合ってる時に母が父に話したらしく。
父がプロポーズでこの家を手に入れたという話は何度も聞かされていた。
母が居なくなってもここには母の思い出があるからと。